この度、不動産業界のDXを推進するスタートアップ企業、株式会社Lexi(以下Lexi)に出資をさせていただきました。今回はLexiの小堀社長をお招きして、当社戸祭との出会いから出資までの経緯やLexiの事業への思いなど、対談インタビューを通してご紹介させていただきます。
―本日はお忙しい中お越しいただきありがとうございます。最初に、小堀さんのバックグラウンドとLexiの現在のビジネスに辿り着いた経緯を教えてください
小堀:キャリアのスタートは人材業界で、求人広告の営業を行なっていました。3年目で全国トップ営業になることができ、その後、飲食店を経て、オフィスの不動産仲介営業を行なっていました。
仲介営業をする中で、条件がよい物件でも提案が上手くいかず、移転企業にそれが伝わらないケースが散見され、営業マンの提案力次第で物件の魅力が左右されることに課題を感じていました。そこで、誰が使っても画一的な提案ができるツールがあった方がよいと思い新規事業の企画に着手し始めました。
最初は、物件の外観やエントランス、室内などを360°の画像で見せることにより、誰でも物件を実際に内覧しているように感じられるVRサービス事業 を展開しました。ありがたいことに数多くの問い合わせがあり、多くの大手オーナーに導入いただけるくらいに拡大していきました。
他方で、大手オーナーと話をする中で、「物件の良さを見せるだけでなく、オフィスを探す企業の紹介もしてもらいたい」という意見をいただくことが増え、成約につなげることが最上流のオーナーの目的であり、VRツールはあくまでサポートツールだと改めて考えました。そして、オーナーと移転企業が直接やりとりでき、成約までつなげることができる「SERECT」というサービスに辿りつきました。
―SERECTとは具体的にどういったサービスでしょうか
小堀:移転企業とオフィスを貸したいオーナーがやり取りできるマッチングプラットフォームです。直接のやりとりなので、仲介会社を挟むことが無く、仲介手数料など移転に係る費用を抑えることが可能です。
簡単にビルを探せるほか、管理画面上で「やり取り」「タスク」「ファイル」を一元管理できるので、業務管理ツールとしても活用ができます。いまだにアナログなオフィス移転業務に対し、情報精度・情報管理・コミュニケーションなどを効率的にしていきたいと考えています。
―お二人はどのようなきっかけで知り合ったのでしょうか。
小堀:最初はあるピッチイベントでした。そのピッチイベントで興味深いコメントをいただいた戸祭さんに、後日相談させていただきました。その 当時、Lexiはオフィスバンクの子会社で、持株比率は圧倒的に親会社が高く、自分自身は15%程しか持っていない状態でした。
戸祭:MBOしないと資金調達は難しいという話をして、どこに問題があって、どうすれば解決するのかというディテールのお話をして一旦終わりましたよね。
小堀:はい。ピッチイベントで接点を持たせていただいた会社さんは何社かあったのですが、その全てにこの持株比率では難しいからここを変えなさいという話をいただきました。すぐにMBOに向けて取り組み、そしてMBOが実現できそうというフェーズになって、再度戸祭さんに声をかけさせていただきました。
―最終的になぜLexiへの出資に至ったのでしょうか
戸祭:理由は色々あるのですが、最終的にはやっぱり小堀さんの情熱とそれに見合った業界のネットワークやスキルです。このビジネスモデルは簡単ではないですが、そこに対して必要なことを考えて着実に行なう底力は素晴らしいと思いました。MBOしなければ難しいと聞いて、本当にMBOできる人はなかなかいないと思います。そういったところをプレゼンで出しきれない部分は感じていたので、そういうところをサポートしていきたいと思いました。
―小堀さんはどういったサポートを受けたのでしょうか
小堀:本当に様々なサポートをしていただけました。資金調達にあたりピッチブックが重要になってくるのですが、ピッチブックが整っておらず、なかなか上手くいかない状況でした。例えば、オーナーと移転企業、両方を網羅するサービスにしなければならないのですが、私はオーナー側のセールスの考え方が強すぎたが故に、資料がオーナー寄りになっているというご指摘を受けたり、Lexiの強みは何なのか一緒に考えていただいたりしていました。
戸祭さんからこういったアドバイスをいただいてからは、様々なVCから関心を持ってもらえるようになりました。
戸祭:第三者の視点から見ることに関しては、起業家より投資家の方が当然できることだと思います。私も独立した経験があるのですが、自分でやると客観目線に立つのは難しいですよね。また、私は不動産テックには何社か投資検討したことがあるので、業界知識は持っていましたし、基本的には起業家と同じ水準で話せるように勉強はしています。そういった視点から小堀さんにはアドバイスをしていました。
小堀:それ以外にも心理的なサポートもすごくしていただきました。調達が上手くいかず苦しい思いをしていた時期があったのですが、どこのVCにどうアプローチしなければならないのかという話をひたすら話をしていただいたこともあり、多角的にサポートしていただいたと思います。
―数あるVCの中で、Adlib Tech Ventures(以下ATV)をなぜ選んだのでしょうか
小堀:戸祭さんの経験やアドバイスの質がすごく高いので、これを参考に実践すれば、事業をブラッシュアップできるだろうと確信したからです。ATVさんからの投資金額は募集予定額に足りなかったので、フォローVCを探さなければならないというハードルはありました。しかし、コミュニケーションをしていく中で、手厚くサポートいただけて一緒に事業を進められるVCがよいという思いでお願いをさせていただきました。
戸祭:ATVには、一緒に事業をつくるという企業コンセプトがあるので、それを実感していただけていたら嬉しいです。一緒に事業をつくるというのは、私が全て指示を出すのではなく、あくまで起業家がメインになって、その中で私ができる範囲のことをやって、受け入れてもらえるようなアドバイスがしたいと考えています。
小堀:もちろん実感しています。こうしなさいと言われることはなく、様々な選択肢を提示いただけて、どうするかは私の判断に委ねていただけます。最終的に、フォローVCを見つけなければならないときには、戸祭さんにご紹介いただいたほとんどの会社から出資すると言っていただきました。的確なアドバイスや心理的なサポートは、非常に心強く感じます。
―最後に、Lexiをどういった会社にしていきたいと思っていますか。
小堀:不動産業界の古い慣習を変えたるために、インパクトのあるサービスを作りたいと思っています。オーナーと直接繋がっている移転企業は1割くらいなのではないかと感じていて、直接やりとりすることの旨みを得られていない移転企業が多いと思います。そこを最大限活用し、不動産業界の非効率をすべて解消できるようにしたいです。
戸祭:私としても、SERECTはオフィスを借りたいときに必ずそこを探しに行くような、誰もが知っているプラットフォームになれるのではないかと期待しています。
小堀:はい。ゆくゆくはオフィス探しだけでなく川上から川下まで、様々なサービスに転用していけたら面白いと思っています。そして社名通り、歴史を変えるサービスを作りたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
―本日はお忙しいところありがとうございました!
現在、サービス名を「SERECT」から「COCOSY」に変更してします。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000055729.html